枝付き胡椒


香辛料としておなじみの胡椒。
原産地のインドでは古代より主要な輸出品として生産され、
ヨーロッパをはじめ、世界各地との交易に用いられていた。
インドの東側にある中国にも伝わり、「胡」は西方のことを指し、
「椒」はスパイスという意味で「胡椒」と名付けられた。
日本には8世紀頃に中国から持ち込まれ、その呼び名が現代まで使われている。

古くから胡椒は人の手による栽培によって収穫されてきたが、
アフリカ「マダガスカル」では、現代においてもその自然の中で自生する「野生の胡椒」が存在する。

その収穫方法がとても興味深い。
森林地帯の高木に生い茂るツルに実っており、時には20メートル以上の高さまで人がよじ登って手摘みをするのだという。原始的でとても手間のかかる作業。
収穫したら乾燥させて選別するが、その中の約10%ほどしか実際の商品となる実はとれないため、
とても貴重な食材と言える。


ババグーリで昨年より販売している、マダガスカル産の「枝付き胡椒」。
手摘みのため細い枝がついており、一般的な胡椒より粒が小さいのが特徴。
もちろんそのまま食べられる。

口にすると豊かな香りが鼻から抜けていく。
個人的な感想としては、山椒に近いイメージ。
辛味は抑えめだがスパイス感は深い。繊細で複雑。そしてどこか「和」の風味を感じる。

枝付きで見た目も楽しめる上、シンプルな料理でも引き立つ。
そのままでも、包丁などで砕いても、どちらもおすすめ。
ぜひ一度、野生の枝付き胡椒、ご賞味いただきたい。


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枝付き胡椒