流線のジュエリー


企画室の本棚を整理していたら奥から大きな塊が出てきた。
英字新聞に包まれたそれを開けてみると大きな蜜蝋のブロック。
蜂蜜の匂いが喉に刺さる


それはジュエリー制作の原型づくりのため、インドネシアからヨーガンレールが取り寄せた蜜蝋ブロックだということがわかった。30kgほどのブロックを4つ取り寄せたのだという。
一体いくつの原型ができるのか。彼の溢れるようなものづくりへの意欲を改めて思い出した。
ジュエリーデザイナーも、さすがに驚いて、一つだけ開封し、今も使い続けているという。

ヨーガンレールのジュエリーは、原型づくりから始まる。
指先で綺麗な曲線を練って練って作り出す、とても時間をついやす繊細で精巧な作業。

ロストワックス製法
まず、ロウソクのようなワックスでモチーフの基となる原型を作る。
ヨーガンレールではこの原型づくりにあの蜜蝋を使っている。
その原型を筒状の鉄枠で覆い、石膏を流しいれ固める。
高温で熱するとワックスの原型は溶け、石膏内に空洞ができる。
その空洞にピュアシルバー・24Kなどを溶かして流し込み空洞を金属で満たす。
その後、石膏を壊してパーツを取り出す。
「ワックスが溶けてなくなる」製法なので、「ロストワックス製法」
その都度、ワックス原型を溶かし石膏型を壊して生産する製法なので手間と時間がかかる



たゆたう波のような流線のラインが美しいジュエリー





流線のジュエリー